ハーベスト国産小麦への切り替え
昨年2023年春よりハーベストは使用小麦を全面的に国産小麦に切り替えました。
開業以来一部のパン(パンドミやハーベストライなど)に国産小麦を使用していましたが、菓子パン、食事パン、フランスパンは、輸入小麦がほとんどでした。
輸入小麦については、船で輸送する際、防虫のための農薬(ポスト・ハーベスト)使用が不安視されていましたが、数年前、北米から輸入する小麦に収穫直前に除草剤(グリホサート)をかけているということを知りました。(プレ・ハーベスト)
収穫を容易にするため、さらに収穫量を増やすことが目的という理由のようです。収穫した小麦に残留して、日本人の髪の毛からも検出されていることが検査で分かりました。
欧米では、グリホサートの摂取を原因とする発がんの多発が明らかになり、製造するモンサント、それを買収したバイエルに多額の賠償支払いの判決が多数出されています。
その時点で、国産小麦に切り替えたいと思いましたが、価格が1.5倍ほどあり、パンの膨らみ具合や、フランスパンに適した小麦がわからず、切り替えが進みませんでした。
昨年春に仕入れしている材料卸会社の展示会で、多くの製粉会社が国産小麦をつかった粉を精力的に勧めていました。
以前から使用していた北海道産のゆめちからだけでなく、愛知県産のゆめあかり、九州産のフランスパン用粉のさちかおりなど新しく開発された粉が並び
しかも円安などのため急騰していた輸入小麦の値段と比べて価格の差が縮まっていました。
使用小麦について( https://harvestbakery.jp/komugi/ )
新しい国産小麦でパンを焼く
さっそく新しい国産小麦を取り寄せ、パンを焼き始めました。
パンを焼くのに素晴らしい力を持った粉たちで、特にフランスパンはきれいに膨らみ、香りも素晴らしいものが焼けました。
その一方、食パンはボリュームがうまく出なかったり、生地の中に穴が空いたりと苦労しました。
お買い上げのお客様にはご迷惑おかけしました。
水の量を工夫したり、生地の量を調整したり、捏ね方を考えて秋ごろにはやっと安定したパンをお出しできるようになりました。
日本の農を守り国産自給力を高めようとする小麦農家さんを応援していきたいと思います。
国産小麦のハーベストのパンを召し上がってください。
店主 石井文夫